10月 2026

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26 10月 2026

二番目のない楽器――泉州尺八工房がAireedXにたどり着くまで

二番目のない楽器――泉州尺八工房がAireedXにたどり着くまで 私はこれまで、40年以上にわたって竹製の尺八を作ってきました。 泉州尺八工房を始めた頃から、私が目指してきたのは、単に「昔ながらの尺八を作る」ということではありませんでした。 自分自身が演奏家として舞台に立ち、その中で「こういう音が欲しい」「こういう表現がしたい」と感じたことを、楽器そのものに反映させていく。 演奏して、作って、また演奏する。 その繰り返しの中から、自分にとって理想の尺八を少しずつ形にしてきました。 その意味で、泉州尺八工房の尺八は、私にとって「伝統を守るための尺八」であると同時に、「演奏するために進化してきた尺八」でもあります。 竹だからこそ生まれるもの、竹だからこそ抱える問題 竹は素晴らしい素材です。 一本一本に個性があり、長い年月をかけて育った竹には、人工的な素材にはない魅力があります。 一方で、竹だからこそ避けられない問題もあります。 その一つが「割れ」です。 良い竹を見つけても、保存している間に割れることがあります。 製作途中で割れることもあります。 これらは、製作者である私の手元で起きることなので、ある程度は対応できます。 しかし、もっと難しいのは、お客様の手に渡った後に割れてしまうことです。 「竹なのだから、ある程度の割れは避けられない」と理解してくださる方ばかりではありません。 お客様からすれば、購入した楽器が割れれば大きな問題です。 「自然素材だから仕方がない」と説明するだけでは、作り手として納得できない部分もありました。 そこで私は、長い間、…

26 10月 2026

Type-C ―― 古典の理想を、新しい研究から

泉州尺八工房には、Type-A、Type-B、そしてType-Cという3つのモデルがあります。 その中でType-Cは、少し特別な存在です。 一見すると、Type-AやType-Bとは異なる方向を目指した尺八に見えるかもしれません。しかし、Type-Cが生まれた背景には、AireedXというまったく新しい尺八の開発と、そこで行ってきた内部構造の研究があります。 そして、その研究から私たちが改めて見いだしたのは、意外にも「古典的な尺八が求めてきた理想」でした。 Type-A ―― 現代的な表現のための尺八 まず、泉州尺八工房のType-Aについて少し触れておきます。 Type-Aは、私自身が長年尺八を演奏し、さまざまな演奏家の意見にも耳を傾けながら、約40年の歳月をかけて作り上げてきたモデルです。 大きな特徴のひとつが、指穴の大きさです。大きめに設計された指穴によって、音の立ち上がりが素早く、反応の良い楽器になっています。 音質的にも倍音成分が豊富で、澄み切った音色が特徴です。レコーディングエンジニアの方々からも、その音について高い評価をいただいてきました。 私自身は、Type-Aを「現代的な表現に向いた尺八」と考えています。音の立ち上がりが速く、奏者の意図に対して楽器が素早く反応する。現代の音楽やレコーディングなど、尺八の音を一つの音素材として積極的に扱いたい場面でも、その特徴が生きてきます。 Type-B ―― Type-Aを、より扱いやすく Type-Bは、Type-Aを基本にしながら、指穴を小さくしたモデルです。 Type-Aの音や性能には魅力を感じながらも、大きな指穴や指の間隔に難しさを感じる演奏家もいます。そこで、より多くの方にType-Aの考え方を体験してもらえるように設計したのがType-Bです。 つまりType-Bは、Type-Aを演奏者の身体的な違いに合わせて展開したモデルと言えるでしょう。ところが、その後の研究によって、私たちはさらに別の可能性に気づくことになります。 AireedXの開発が、Type-Cにつながった AireedXは、竹とは異なる素材で尺八を作ることから始まった、新世代の尺八です。…

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