良い尺八と悪い尺八 (間違いだらけの尺八選び )
古い楽器が良いとは限らない
ストラディバリウス・・・どこかで一度は聞いた事のある名前だと思います。そう、16世紀後半に、アントニオ・ストラディバリ(Antonio Stradivari、1644年 – 1737年12月18日)によって製作されたバイオリンの名器です。何故名器といわれるのか?
それは、ストラディバリ以降に起こった市民革命やオペラの流行で、イタリアでのバイオリン製作の伝統がとぎれてしまったことにより、当時最高と評されたストラディバリウスを越えるバイオリンは製作されていない、という伝説や、木材の経年変化による響きが300年経た現在、最高であること、更には当時から評価が高かったために管理が行き届いていた事などによるものです。
では古い尺八はどうなのでしょう?
まず知っておきたいことはバイオリンと尺八の違いです。
バイオリンは木で作られた胴が弦と共鳴して振動します。故に胴の状態の良さが直接音に反映されます。
ところが尺八は竹内部の空気柱が振動します。竹はその空気柱をしっかりと支える役割ですから、竹が振動するということはエネルギーロスになります。
つまり竹は振動しない方がいいということになり、固ければ固いほどいいことにもなります。古くて柔らかくなった竹はよくないということでもあるのです。
さらに、尺八には実は「完成」されたモデルという物が未だに存在していません。現在も構造的な研究がなされている段階です。何せ演奏法も「これが最高」「これが正しい」ということが定まっていない訳ですから、古い時代の楽器が「名器」ということはありません。
骨董価値と楽器の価値は別なものです。
名器とはなにか?
多くの演奏者の意見を吸収し、研究を続ける工房にこそ、名器は存在します。
流派を問わず、ジャンルを問わず正しいとされる奏法が定まりつつあります。
この奏法は聞くものを魅了してきた演奏家たちに共通する奏法であり、それがいつしか集約され、新しく魅力的な演奏家たちに広まりつつあります。
近い将来、流派・ジャンルに関係なく演奏家に要求される最低限の奏法として定着してゆくでしょう。
この最低限の奏法をそなえた演奏家と出会った時、最大限演奏者の能力を引き出してくれる尺八こそ、名器と呼ばれるものとなるでしょう。
そのためには確かな演奏家との連携は絶やすことのできないものです。
確かな演奏家との交流とその環境の中で作られる泉州尺八工房には、その名器に一番近い楽器が存在しています。
上手な尺八と下手な尺八、その紙一重の差とは?
一般に,上手な演奏家の演奏している姿や顔つきはとても自然です。鳴らすのさえ難しいと言われてきた尺八ですが、実は、とても自然に演奏することができるのです。自然に演奏できればこそ、様々な表現も可能になります。鳴らすだけで、または音の高さを正しく出すだけでも精一杯の状態では、表現にまではとても力が回りません。
上手と下手の紙一重の差、それは自然な姿で演奏するための自然な楽器、そしてその実現のためのサポートを得られているか?という事です。
だれも教えてくれなかった「鳴らすための基礎」、泉州尺八工房で手に入れてください。
どうしてプロの尺八奏者は、泉州尺八工房を使うの?
第一線で活躍する尺八演奏家が、製作からメンテナンスまでを引き受ける工房だからという方もいらっしゃるかもしれません。
あるいは演奏者の立場に立って、微細なストレスまでを理解し、解決しようと努力する工房と、評価して下さっているのかもしれません。
泉州尺八工房は広めのショールームを備えていますので気兼ねなく気の済むまで試奏し、問題解決を十分に行う事が出来ます。
プロの方も初心者の方も、良きパートナーとして末長く付き合っていける「工房」をみつける事は、とても大切な事と考えています。