オリジナルタイプA
泉州尺八工房のフラッグシップモデル。現在多くのプロ尺八演奏家が使用する、尺八の理想を追求したモデルです。
「スーパー尺八」「ターボ尺八」などと、いわゆる大音量を出すための尺八と思われがちですが、実は設計の思想的背景には「立ち上がりの良さ」ゼロからの立ち上がりを可能にし、しかも揺るぎの無いピッチで音量を変化させることが出来る尺八にあり、どちらかというととても静かな演奏を可能にする尺八でした。それは製作者三塚幸彦が率いる遠TONE音の尺八演奏に結実しています。
2018年の芸術祭大賞をこのオリジナルタイプを演奏して受賞した虚無僧尺八の善養寺惠介氏が「尺八に特別な個性はいらない、自分の意思のままにコントロールできる真っ白なキャンバスのような尺八が必要なのだ」と語るように、これまでの吹くだけで何らかの世界観を勝手に作り出してくれる尺八とは異なり、楽器として自分の意思を反映させようとするプロ尺八演奏家の間で広まり、今や尺八の基準とされつつあるモデルです。
5孔のままで大甲のツや、そのほか一般的な尺八では不可能な発音が可能です。